「痛み」がひどくて、何とかしてほしいと来室される方が多くいます。
当然ですね。痛みに耐えられず、何とかこの痛みをなくしたい、なくせなくても和らげたいとすがる思いなのは当然です。
「痛み」とは、一見やっかいなものです。こんな痛みがあるなら、生きた心地がしないというのも当然です。
しかし、「痛み」は身体を守る大事なサインであり、神様からの大事なプレゼントとも言えると思います。痛ければ、無理をしないし何とかその痛みの原因を突き止め、それ以上に身体への負担をかけないように仕向けているわけです。

長年腰痛で悩んでこられたYさん。腰が重くだるくて歩くのも苦労しています。
今日は、身体をほぐすことから始めました。丹念に行って、Yさんに状況を聞くと「変わらない」といいます。
全然効いていないんだとやや残念に思いました。
やはり筋肉をほぐしただけでは、その痛みは消えることはないのだと改めて理解しました。
長年の蓄積は、ちょっとした刺激では何の効果ももたらさないのかもしれません。あるいは、回数を重ねればそれなりの緩和は望めるのかもしれませんが、Yさんは、痛みをとってほしいとの思いで来室したのです。
そこで、スコープで施術ポイントを特定し、順番を確認して打圧を加えてみました。
仰臥位、伏臥位と施術を進め、最後
は座位で腰痛の残っている部分を打圧し、反応を取り去りました。「Yさん、いかがですか?」と聞きました。
腰を触ったり、曲げたりして「痛くない」という返事でした。
痛みが取れたようでした。ほっとしました。
しかし、慢性化した腰痛はおそらくまたしばらくしたら戻されることでしょう。そんなに簡単に痛みがとれることはないでしょう。
長年の無理が、腰に負担をかけてきました。徐々に身体に負荷をかけ続けた結果が腰痛ということなのでしょう。
ある程度の回復にもっていくには、今後も繰り返し施術が必要だと思います。
「痛み」をやっかいなものと考えるのではなく、むしろありがたいサインとして受け止め、その痛みを取ることが、身体の正常な回復につながるのだと考えて、感謝して痛みに向き合い、健康体に向かわせることが必要なのだと思います。
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