この世に生を受けて、身体をプレゼントされて、今までこの身体にお世話になって生き長らえてきました。これば、万人に当てはまることです。
心臓を始め、身体のすべての細胞、臓器は休むことなく働き続け、自分で意識せずとも大きな働きをし続けてくれています。
このことに普段は気づくことなく、当たり前と思っています。
しかし、一旦体調を崩すと、「なぜ病気になったのだろう」「どうしてこんな身体になったのだろう」とついつい不満をもらしたくりなります。
80歳にもう少しで届こうとする女性が来室され、ご自分の身体の不調を嘆いていました。
「こんな身体で、どうしようもない」
背骨は曲がり、立っているのも痛いと、とても辛そうにしていました。
とてもお気の毒で、自分のできることは精一杯やり、少しでもその痛みが和らぎ、元気になってほしいと願って施術をさせてもらいました。長年蓄積してきたお身体を正常な姿に回復することは、とても難しく思えました。
「今まで、ご自分の身体に感謝されたたことはありますか?」
と聞いてみました。
「‥‥‥。こんな身体は嫌だといつも思っています。」
「今まで80年近く、あなたの身体を休むことなく生かし、動かし続けてきてくれたご自分の身体に『ありがとう々』と言ってみてはどうでしょうか?」
この世に生まれてきた、いや、出て来させていただいたこと自体がすごいことであり、それを何十年も休みなく動かし続けてきてくれた身体に、お世話になり続けてきたその「力」に敬意を払い感謝することは、当然のことなのではないかと思いました。
何事もなく過ごせている毎日は、本当は奇跡的なことなのかもしれません。病気になったりけがをして初めて、健康であることの有り難さに気づかされます。自分の世話になっている身体に手を合わせて「ありがとう」と何度も何度もお礼を述べることで、身体は嬉しくなり、もっと元気になろうとしてくれるのではないかと思います。
そうすることで、不調な身体が元気を取り戻し、軌跡である「健康」を維持してくれるように思います。
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