トータルバランス療法の中心的な施術法は、体表刺激法を用いています。
GTスコープという検査器を使って、身体からの反応の部位を正確にキャッチし、そこに刺激を加え、反応を取り去ることで、身体のエネルギーのめぐりを促すことで、痛みを除去し、不調を改善していく方法です。
従来まで、この刺激を打圧や指圧(押圧)などでしてきました。反応する部位によっては、痛みを伴うこともありました。
しかし、痛みの伴う刺激が却って身体に警戒を与え、防御反応がでて、本来の健康な状況に届きにくくなるのではないかと考えるようになりました。肩こりのある場合、肩揉みや肩叩きが、気持ちよく、症状の改善につながるように思っていましたが、この癒し的なマッサージなどは、施術としては避けたい手法だと考えるようになりました。身体への強い刺激は、毛細血管や筋繊維を傷つけることにつながります。これでは、身体を修復するのではなく、逆に痛めてしまうことになります。

そこで、反応ポイントへの刺激を「やさしい刺激」に変えることにしました。
「指によるタッピング」や「指の腹でやさしくなでる」「指で回転をかける」
などのやさしい刺激を加えることにしたのです。
一例を挙げます。
ある60代女性には、癒し効果をねらって、かなり力を入れた指圧や押圧を加えた手技を用いていました。施術中は、気持ちよく感じ、施術後も癒してもらったという満足感があったそうです。
ある時、「強い刺激を加えることは止めて、やさしい刺激に切り換える」ことに同意してもらい、施術をすることにしました。最初は不満そうでした。施術後は、物足りなさを感じているようでしたが、帰りの車の中でだんだんと身体がぽかぽかしてきて、身体が軽くなり、その後もいい調子であるという報告をいただきました。その後の調子もよくて、いい感じだというのです。
これで、やはり強い刺激は一時的な満足を与えるけれども、本当に身体が整うわけではない。柔らかくやさしい刺激は、しっかりと脳にシグナルを届け、身体をもとのような健康状態に導いてくれるのではないかと、実感したのです。
気功治療は、身体に直接触れなくても、エネルギーを術者が送ることで、全身の気のめぐりを調整していく施術です。これは、究極なやさしい刺激と言えるでしょう。ほんの少しの刺激で身体は劇的に変化し、健康に導いてくれるようです。
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