2月の日曜日、まだ風は冷たいものの春の兆しが見え隠れして、私の身体が「歩いてみたい」という内からの知らせがきたので、思い切って歩くことにしました。目的地は千葉駅、と思いましたが、10㎞の距離は今の自分にとっては無謀と判断し、自宅(治療室)から約4㎞のショッピングセンターを目標にして歩き始めました。

風は冷たいものの、陽差しが明るく気持ちよく歩き出しました。最初は軽快に、辺りの風景を楽しみながら黙々と歩きました。目的地(千葉市おゆみ野)に近づくにつれて、遊歩道を歩いてみようという思いが高まってきました。昨年の春に桜満開の遊歩道を初めて歩いて感動したのですが、その時は遊歩道の半周ほどしか歩いておらず、いつか一周してみたいと思っていました。
そんなわけで、目的地のショッピングセンターには行かず、おゆみ野駅を起点として反時計回りに歩き始めました。このおゆみ野の遊歩道はよく整備されていて、四季の道の名前がつけられていて、歩道もきれいに舗装されていたり石畳だったりして歩きやすいのです。今回は冬の道をスタートにしました。まだ冬の季節ですが、すでに梅の花が咲き始めています。この遊歩道を一周すると約6㎞余りあるようです。この町は計画的に創られ、住環境を最大限考慮してあるようです。沿道にはさまざまな木々が植えられ、一般道と分けられていて、なかなかいい雰囲気です。

しかし、歩き始めて直ぐに、脚に違和感を感じるようになりました。左の股関節、太股、右の太股が次第に痛み出しました。運動不足の私にとって、この遠距離歩行はオーバーワークであることは明らかでした。しかし、途中で止めることもできず、取り敢えず歩き続けました。時折ベンチに腰を下ろして休み、水分補給です。
再び歩き始めるも、痛みは収まらずただただ前に足を出し続けました。治療室ではお客さんに「痛いときは無理をしない方がいい」
と言いながら、自分はその間逆の動きをしている‥。明日になって、歩けなくなったらどうするんだ、と自分に問いかけてみても、ここにずっといるわけにはいかず、歩き続けるしかない、と。日曜日にもかかわらず、遊歩道を歩く人はまばらでした。時折ジョギングする人もいて、私には決して無理だな、と思ったり‥。
ようやく最初の目的地として設定したショッピングセンターまで到着し、そこで昼食をとりました。歩き続けた自分へのご褒美としてちょっとリッチなランチをとり、同時に休息をとりました。これから自宅まであと4㎞を歩かねばならないのです。
その4㎞も足を少しずつ前に出し続けましたが、限界を超えてはいました。それでも歩き続け、ついに自宅に到着。歩数計をみると23000歩、距離は約15㎞と出ました。いや今までにないくらい長いこと歩きました。達成感と充実感はあるものの、やはり両足の痛みは結構あって、明日からの身体がどうなるだろうと不安がよぎりました。できる限りのセルフケアを自身に施し、SF療法のバイタルアングルを脚に掛けて、ゆっくり湯に浸かって就寝。

そして、翌日。
何とか歩けました。痛みは残るものの、動くのには不自由がなく、ホッとしました。以前、股関節の痛みが続いたことがあって、左足が上げられず、階段の昇り降りが不自由だったことがあったので、あの二の舞はゴメンだと警戒していましたが、何とか大丈夫のようです。
適度な運動、バランスのとれた食事、ストレスフリーの生活など、健康維持のために何らかの行動をとる必要を感じながら、今回のような極端な行動は本当は慎むべきものなのかもしれません。しかし、たまには普段は取らない行動を試すのもワクワク感があって、生きることに面白みを加えてみるのも、楽しくていいものだとも思います。

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