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  • 執筆者の写真Rokuto

半月板損傷へのアプローチ

更新日:2023年10月29日

先日、膝を痛めたという50歳代の女性が、久しぶりに治療室を訪れました。運動中に脚を動かした際に、左膝に衝撃が走り、強烈な痛みに襲われました。病院で半月板損傷との診断を受け、一ヶ月仕事を休み安静にして一ヶ月安静にして過ごしたと言います。ようやく左足を引きずりながらも何とか歩くことができるようになったので、思い切って来室したとのことでした。

半月板(Microsoft Bingより転載)

この方は、高校生の頃からバレーボールの選手として活躍してこられ、最近まで地域のチームの中心的な戦力としてチームを引っ張ってこられた実力の持ち主です。長年のさまざまな負荷や無理が重なり、遂に身体を壊してしまったようでした。


施術前に状況を聞くと、膝を曲げることが難しく、イスから立ち上がる際に痛みが走ると言います。歩くときも恐る恐る足を一歩ずつ前にそっと出すということでした。


こうしたケースでは、鍼を用いて患部にアプローチするのが効果的であることが多いので、全身を適度な刺激を加え血流を促した後、鍼を刺していきました。


当方の施術では、GTスコープという検出器を用いて、身体から放たれていると思われる波を検知します。この波を「施術ポイント」と呼んでいます。このポイントを特定し、そこに程度な刺激を加えることで、痛みや症状を取っていくというのが、体表刺激法と呼んでいる手技で、トータルバランス療法の最もベースにしている手法です。


鍼を刺すポイントもこのスコープを用いて特定します。1サイクル4本ずつ刺入しいきます。この施術ポイントは非常に正確で、信頼できるので鍼を刺す場合も非常に強力な助っ人となっています。


左膝の内側にスコープによる反応が多数出現していました。そこにステンレス製の鍼を刺していきます。スコープで特定したポイントに、さらに鍼を刺す向きもスコープを用いて決めます。


4本刺入した後、SF療法の一つである「バイタルアングルフォース」という手技を加えます。患部に対して、左右両手を直角に構え、それぞれの掌に回転をかけて身体にエネルギーを浸透させ、一段と施術効果を高めていきます。


時折、刺入した鍼を更に深く刺したり浮かせたりして、患部に刺激を送ります。患者さんは、鍼が神経に触ると「ビィーン」という強烈な刺激に襲われることがありますが、これは「効いている証拠だよ」と説明しています。

手前の円筒形がGTスコープ

5分程度鍼を刺入したままにし、スコープによる反応がなくなった頃、鍼を抜きます。抜いた後も、さらに反応ポイントが出現してくるので、繰り返しそのポイントに鍼を刺していきます。これを4サイクルほど繰り返して、終了としました。


脚を曲げた状態で最後の鍼を4本刺しました

患者さんにベッドから降りてもらい、座った状態で状態をみました。すると、まだ反応が残っています。姿勢を変えると新しい筋肉が働くために、新しい施術ポイントが現れることが多いのです。そのポイントには押し棒を使って、打圧を加え反応を取っていきました。


患者さんに膝の様子を聞くと、突っ張り感が減った、立つのに抵抗がなくなった、歩くのが楽になった、という声をいただきました。明らかに鍼を刺した効果が出たようです。


翌日、この患者さんに状況をお聞きしました。

その夜は、ぐっすり眠ることができたが、翌日仕事をするとまた痛みが復活してきた、ということでした。半月板損傷というけがを、一度の施術で生活に支障のないほどに回復に至らせることは難しいことでした。

しかし、今後もこの患者さんの施術を継続し、改善に尽力していきます。今後もご本人の了解を得て、経過等を報告していきます。


[追記 2023.10.17]

10日後、再度来室されました。


前回の施術の翌日、久しぶりに仕事に復帰し、歩いたり、車の乗車をしたりするうちに再び膝の痛みが戻ってきたそうです。その後は、少しずつ痛みが和らぎ何とか生活していますが、突っ張り感があり、立ち上がりの際の痛み、車の乗り降りの時の不安感があるとのことでした。


まず、仰向けの体勢で「大沼式」で全身の血流促進を行いました。股関節の動きは悪くないようです。痛みのある膝をやさしく触れ、続いて「体表刺激法」で全身の反応ポイントを軽く打圧で解消していきました。


問題の膝周辺は、やはり多くの反応が出ました。これを繰り返しやさしく打圧していきます。反応が一旦取れても、少し脚を動かすだけで、次々に新たな反応が出てきました。


スコープで検出される反応ポイントは、ほぼ痛点です。このため反応がある限り、痛みが取れていないと判断できるのです。


ある程度反応がとれた段階で、鍼を刺していきました。鍼を刺す場所もスコープの反応があるポイントで、一度に4本ずつ刺していきました。しばらく置鍼し、反応が消えるのを待って鍼を抜いていきます。約3~4分。これを繰り返していきました。

スコープで鍼を刺したポイントの回復度をチェックしています。反応がなくなった時点で鍼を抜きます。

半月板損傷は、西洋医学では修復は難しく、最終手段は手術しかないとされています。


しかし、人体は小宇宙であり、生命力で満たされている限り元に戻そうとする大きな力が万人に内臓されており、再生も可能だと思うのです。


次の方法は、今まであまり公開してこなかった施術法です。秘蔵法といってもいいでしょう。この続きは、次回公開していきます。


取り敢えず、痛みは和らぎ、階段を降りるときも軽快に足が動いていました。次回の状況をまた追記していきます。


[追記 2023.10.29]

11日後、3度目来室されました。


前回の施術後、しばらくは楽に過ごせたようですが、次第に痛みが戻ってきました。

結局、病院で診察を受けた際、手術の方向で考えているとのことでした。この膝の痛みが続くようなら、生活そのものがつらいものになり、手術で痛みが緩和されるならば手術に掛けてみるとのことでした。


無理もない判断です。一旦損傷を負った半月板が修復することはないというのが定説です。とにかく、今回は少しでも痛みを緩和し、動きがスムーズになるように施術してみることにしました。最初は、大沼式で全身の血流を促していきました。


左膝の内側をスコープでみると、強い反応がありました。反応部分に軽い打圧を繰り返しかけていきました。刺激を加えると一旦は反応が消えますが、次々に反応が出現しました。それでも根気強く反応部分に軽い刺激を加えていきました。

今回は鍼を刺す施術はせず、圧を加える施術に絞ってみました。途中、時折、SF療法のバイタルアングルを加えます。この施術を繰り返していきました。


ほぼ反応が消えたところで、立ってもらい状況を自己評価してもらいました。


●足が軽くなった。

●膝の突っ張りがなくなった。

施術後、脚が上が りました

この変化(痛みの緩和)は一時的かもしれません。

持続的にこの状態を維持することが、今後の目標です。


痛みは、自分の身体を守るためのサインであり、無理に動かすことをセーブする有り難い仕組みです。痛みが 過度な動きを押さえ、損傷をくい止め、無理に動かすことをさせないのです。痛みがなかったら、身体が壊れてしまうでしょう。


痛みは脳が発しています。この脳に刺激を送って、痛みを帳消しにするというのが、体表刺激法であり、痛みを帳消しにすると同時に、患部の膝も正常に戻る作用があると考えています。


今後もこの方の状況をお伝えしていきます。










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