治療姿勢、治療順序、治療箇所などを特定するのに、このGTスコープは大きな威力を発揮する。これを使いこなすために、最初は皆目その感覚が掴めなかった。数年かけて、何とかその使い方のいくつかは感覚的に掴めた気はする。しかし、細かな操作になるとまだまだ難しい。
なぜGTスコープと呼ぶのかと師匠に尋ねたことがあった。しかし、それをすっかり忘れてしまっている。治療家仲間ではこれを単に「スコープ」と呼んでいる。
このスコープを対象者の身体の一部に密着させ、左手そのもの、または左手に検知する物を持って、治療となるポイントを探っていく。右手はスコープの中央を指で軽くなでる。
不思議なことに、治療ポイントに左手指がくると、右手の指とスコープの摩擦が起こり、「キューキュー」または「ザーザー」という音が発生するのだ。
そこがまさに治療ポイントとなる。
その治療ポイントを押したり打圧を加えるたりすると決まって痛い。しかし、持続して何秒間か押し続けたり、打圧を何度か繰り返すと痛みが消えてしまう。そして、先程の「キューキュー」または「ザーザー」という音も消えてしまうのだ。
これは、治療をする上で強力な武器となっている。ツボの位置など知らなくても(ツボというものを気にしなくても)施術ができてしまう。
治療ポイントだけでなく、治療をする姿勢や順番などもわかってしまう。
ただ、まだまだ課題がある。
治療する上でのまだまだ繊細な領域の検知は、私にとってまだまだ難しい。今後も、たゆまぬ研鑽を積んで、よりよいGTスコープ の精度をあげていかねばならない。その技は、多くの方々のよりよい施術へとつながっていると思えるからである。
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